これは何
いわゆる退職エントリです。 転職活動とその意図について記録しておきたいと思います。
はじめに
株式会社ドワンゴを7月末で退職します。2014年に新卒として入社して5年目になり4年ちょっと働いたところでした。 ニコニコ静画・漫画のインフラリーダとしてアクセスが順調に増えていくシステムに対して、なんとか安定運用することだけをずっと考え続けました。会社全体の効率化のために他部署に借り出されたりしたけど軸足はずっと静画でした。 最初はくそ使い捨てスクリプトくらいしか書けないレベルだったけど、信じてインフラ権限を与えて成長させてくれたチームには感謝の気持ちでいっぱいです。
なぜ転職?
主な理由は以下のもの
新しいことにチャレンジするタイミングだと思った
- 転職するなら30までにしたいと思っていた。私にとって社会人5年目のタイミングなので、経験と学習能力のバランスがよく取れている時期
- インフラとしてずっとやっていくとやれることが頭打ちになる気がした
- 最近はSRE的な動きをするようになって多少はバックエンドのコードを触るようになったけども、もっと多分野触って一人でちゃんとしたサービス作れるようになるまで成長したい、という思いがあった
一発当てたい
- 昔からぼんやりと、お金を稼ぎたいという意識がずっとあった
- 最近結婚したので将来お金がないことで困りたくないという意識が強まった。窮困することを心配するというより、やりたいことや住みたいところが出てきた時にコツコツ貯金してできる数百万〜千万のお金では自由になれないと感じた
ネガティブな理由は?
当然大なり小なりあります。よくある疑問について書いておきます。
- 給料上がらなかったの?
- 以前からお給料が上がらなくなったら会社から成長が止まったとみなされていると考えて、転職しようと考えていました
- 幸い、2年目入ったあたりからコンスタントに上がってくれたので強い不満はそこまでありませんでした。強いて言えば、リーダという一応の肩書きがついた直後にあまり上がらなかったのでそれが転職活動のトリガーにはなりました。とはいえ、冷静に考えればリーダとして実績を出していけばまた問題なく上がるだろうとは思っていたので燻りながらもクリティカルではなかったです。他にいいところがなければ残留方向
- 人間関係とか?
- 良好でした
- 強いて言えば、技術や仕事の進め方・改善提案がめちゃめちゃうまかった先輩や同僚が何人か抜けたことがありショックではありました。これも比較的自分が自ら学べるタイプではあるのでクリティカルではありませんでした(けど、転職というものがよりリアルに感じられたのは事実)
転職先について
というわけで、知人に誘われてM&A関係のプラットフォームを作るベンチャー起業に転職することにしました。ブログは現在の所属とは切り離しておきたいので少しぼかしておきます。
選んだ主な理由は以下のとおり
- お金を稼ぐためにはお金周りの業種にいた方が良いと思っていたし、お金の話は元から好きだった
- 社員エンジニア二人目なのでバックエンド・インフラをメインに多分野を触れるようになるのを期待
ドワンゴ社のいいところ
- 本物の裁量労働により、時間の融通がきくのはいろんなところに書かれている通りですが、最高です。16時に朝会で、本当にその時間にギリギリ出社する人もいました
- 自発的な勉強会がたまに組織される
- 自発的に動けて技術が好きな人にとっては良い会社だったと思います
- 祭りが定期的に発生していた
- 超会議とか公式の祭りもありますし、闇LT大会などの他の会社ではなさそうな奇抜で面白い人の祭りが沢山ありました
- やりたいと言って、自分で仕事を取りに行けばやりたいことをやらせてもらえます
- 良くも悪くも言い出しっぺの法則
- どこでも一緒だとは思うけど意思表現が苦手な人には辛いことも多かったように見えました(これはいいところではないか。まあ表裏一体なのでしょうがない)
転職活動についていろいろ
いろいろ転職サイトやエージェントを使いました。時系列で並べておく。何かの参考になれば。
2年目終わり頃くらい
怪しげなヘッドハンターからメールが届き始める。 話を聞いて近い同業他社を紹介されるが1人前になる前にどこに移動しても同じだろうなと思って一回だけ話を聞きに行ったが後はスルー。
4年目始めくらい
技術ブログを適当に書いて wantedly に登録したらそれなりにオファーが沢山来た。 数社知っている会社を中心に話をききにいきました。印象的なのは以下のところ。
- リクルートライフスタイル: 問題解決できる人しかとらない、というのが印象的。「あんまり活躍できない人がいたらどう扱うの?」と質問したら「しっかりお金渡す早期退職制度があるからそういう人はいなくなる。」(私がそう受け取ったという解釈です)と言われたのですごい会社だなと興味を持った
- アトラシアン: 場所が横浜の馬車道にあって西海岸の雰囲気。昼前に会社訪問に行ったらメンバーと一緒にランチをすることになって、メンバの印象がすごく良かったので1〜2ヶ月くらいずっと本気で考えて転職しようか悩んでいた。ただ、まだバックエンド開発をほとんど触っていなかったのでサポートエンジニアになってそのスキルが取れないのはキャリアとしてまずいと思って見送り。
- マネーフォワード: お金の会社はお給料良いのだなあ(雑)と思った。話が合いそうな人が多そうな会社だなとは思ったが、現場メンバとは実際には顔合わせしなかったのでそこまで本気で考えれなかった気がする。
4年目終わり頃
市場価値を知りたくなって転職ドラフトに登録して本気でレジュメを書いた。 現職より100万くらい高いオファーを出してくれた会社が複数あったので、エンジニアは転職すると給料が上がるというのを実感する。 あとバックエンドコードが書けるインフラエンジニア(SRE)が需要が高いことを肌で感じた
印象に残った会社
- コネヒト: ママリという子育て世代向けSNSを運営している会社。インフラエンジニアの方とじっくり面談して、なんだか感覚的なところだけどすごく働きやすそうな気がした。やることが現職とあまり変わらなさそうというのとお給料的にも多少上がるくらいなのでリスクをとったり関係を断絶させてまで行くのは躊躇して断念
- マネーフォワード: ここでもありがたくもオファーをいただきました。結構スキル的に雰囲気的にマッチしていたみたい
- ヘルスデータプラットフォーム: 面談通してものすごく高く評価してくれました。手当を入れるとその当時の給与から150万以上も上がることになりクラクラした。健保会員向けアプリの開発会社で、肝心の事業内容にそこまで興味が持てなかったのが残念なところ。「専門家同士でお互い背中を守りあって開発していきましょう」とおっしゃっていたのが印象的でした
5年目始め
他の業界や職種も視野に入れて将来を考えたいと思ってエージェントに相談するべく登録してみた。 しかし同時期、退職した同僚を交えた飲み会でちょうどエンジニア募集をしているという話に。 「バックエンドでもなんでも長い目で見て経験させてくれるならありだね」という私の希望にマッチしそうだったのでオフィスに遊びに行くことに。お金の話と人を見て、これならいけるかもと思って転職を決意。
あとがき
ドワンゴ社には本当にお世話になりました。どこでも働けるスキルを得たいと思って新卒で入った会社だったけど、大正解でした。部署配属も「勉強できるところに入れてください」と面談で言って構築運用部というインフラ部署に入れてもらったのも良かったです。
次の会社でうまく働けるか分からないけど、無理をしすぎることなく淡々とやっていけば道は開けるはず、と信じてやっていきます。